S&P、日本の格付けを不意打ちー円売り優勢―(2)
日本のソブリン格付が引き下げられること自体、驚きではない。日本のファンダメンタルズから見たら、円高になるわけはない。ただし、ドルにも不安があり、ユーロも債務国問題を引きずっており、消去法から円が買われていた。市場はおそらく、円のロングポジションが優勢であっただろう。一時は、ストップによる円買いで市場はパニックとなった。しかし、これまでのドルショート・円ロングは切れておらず、ドルの下落場面では買い戻しが入るだろう。
ドル円での円売りが、ユーロ円やポンド円といったクロス円でも円売りを巻き込み、ユーロ円が114円02銭付近、ポンド円が、132円70銭付近と、それぞれ朝方の112円70銭及び130円80銭から大幅に円安となった。この動きに伴い、ユーロやポンドも、対ドルでは強含みに推移した。
ニューヨーク時間になって、米国耐久財受注と先週までの新規失業保険申請件数が弱く、今度はドル円でもドル売りが優勢になるといった展開。なかなか一筋縄では、ドル高に持っていけないもどかしさが感じられた。
ニューヨーク時間では、ドル高一服となったが、問題は日本の格下げが「一過性のもの」なのか、或いは、今回の円安をきっかけに、日本の株式も上昇して来るのかどうかであろう。日本の株式市場が、最近のNYダウ並みに上昇してくると、リスク選好の円売りが入りやすいが、株式市場への影響は限定的か?もう一つの、大手格付け機関ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、日本の格付を「Aa2」に据え置き、見通しを「安定的」としてきたことから、 S&P による昨日のショックは、どちらかといえば、「一時的」なものといえる。しかし、膠着状態にあったドル円に、大きな刺激を与えてくれたことは確かだろう。今後は、円高一辺倒の相場感が見直される機会になるものと思っている。
香川彰男 2011年1月28日、午前7時00分
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